先生からのメッセージ

權正俊幸先生

2008年12月5日

最近、だんだん寒くなってきましたね。空気も乾燥しているし、風邪をひきやすい季節になってきました。みなさんも十分注意してください。 ところで、風邪って何か知っていますか!?風邪というのは、急性鼻咽頭炎(普通感冒)から急性喉頭炎、咽頭結膜熱、インフルエンザなどの総称です。これらの風邪の原因は、80~90%がウイルス感染です。ところで、風邪をひいて病院に行くと多くの場合抗生物質を処方されますが、(ほとんどの場合)風邪の原因はウイルスなので、細菌を効果の対象とした抗生物質が効くはずはないのです。実際、抗生物質を飲んでも飲まなくても、風邪をひいている期間は同じだという調査結果があるのを知っていましたか。つまり、普通の風邪であれば、結局、抗生物質(薬)を飲まなくても治っているのです(ただ、患者は病院や医師の暗示にかかって、それに気づかないでいるだけ。これも心理学で証明されています)。患者は薬で風邪を直しているつもりでも、実際に風邪を治しているのは、人体が本来持っている自然治癒力なのです。人間の体って本当によくできていますね。 でも風邪をひくとつらいですよね。そこで、風邪の予防法について書いてみましょう。「十分な栄養と、睡眠をとる。」安静にして休んでおくのは医療上の基本原則です。暴飲暴食は、避けるようにしましょう。「外出後やトイレの後などに、手を石鹸でよく洗う。」これによってウイルスの体内への侵入を防ぎます。「マスクを着用する。」のどの粘膜が冷えたり乾燥したりしないようにするためにマスクをすることは有効です(気道粘膜の感染防御能保護の為)。 ところで、「冷気に身体をさらす」「身体が冷えることが風邪の原因である」と日本では一般には信じられていますが、欧米圏では「無関係」だとされています。寒いだけでは風邪はひかないというのが、欧米圏の考え方なのです。実際のところ、体を冷やすと風邪をひくかどうかは、はっきりとはわかっていません。しかし、欧米では風邪をひいたときには、「氷を浮かべた水風呂に入ると効果的」と言われているのを知っていますか。特に熱があるときはよくやるそうです。国が違うと風邪のなおし方もまったく違うのですね。いろいろと風邪のなおし方を調べてみるのも、おもしろいかもしれませんね。

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