先生からのメッセージ

早川千信先生

2009年1月17日

オーストリアの気になる3人-part3 最近、あなたは何か印象に残る夢を見ましたか!?先生は子供のころからよく、背景が青い夢を見ます。空を泳いでいたり、海にぷかぷかと浮かんでいたり。また、小学高学年くらいのとき、よく自分できれいな空色の車を運転している夢も見ていました。ジェットコースターで登校する夢なんかもよく見ました。 そうかと思うと、一度、背景が白黒で、りんご、花の赤だけぽっと浮かんでいるような夢も見たことがあります。そして、一番奇妙だったのははげたおじさんしか出てこない夢、で、もしかしたら自分もはげているんじゃないかと不安になり頭を確かめるために必死に鏡を探している夢とか、さらには夢の中で夢を見たり…。あなたは、夢を見るときもうひとりのあなたが主人公となって夢の舞台に立ち、意識しているあなたは傍観者となっていますか!?それとも、あなた自身が夢の中で体験をしていますか(主観的に見ているか)!?人によって夢って様々ですよね。 ウイーンの町にジークムント・フロイト博物館があります。フロイトは精神分析学の創始者ともいえる人で、無意識(深層心理)、自我とエス、ヒステリー、ナルチシズムなどの研究をしたことで有名ですが(これらについてはフロイトの本を読むと必ず出てきます。興味深いですよ。)、『夢』について最初に着目した人もこのフロイトです。彼いわく、『夢』とは『無意識』の中に抑圧されたものの表れである。無意識の願望が加工されて意識上に現れたのが『夢』だというのです。フロイトを知り、それでは自分の深層を知ろうと見た夢をメモっていた時期があります。初めは見たのか見てないのかさえよく覚えていなかったのが、訓練次第で夢を思い出すのが容易になってきたり、夢をコントロールできるようになってきたりするのは不思議です。大人になってからは、人間の計り知れなさにうんざりしてしまい、もう深層心理探求なんてしていませんが…。 楽しみにして行った彼の博物館ですが、彼の遺品などのほとんどは、晩年に亡命した(フロイトはユダヤ人でした)ロンドンの博物館にあるそうです。ウイーンの方は殆どがただの写真ばかりでちょっとがっかりしてしまいましたが、ここに実際、彼の診療所があり、様々な重要な学説が誕生したのは事実です。夢に関してはフロイトの後、もと彼の弟子であったユングも語るのですが、個人的にはユングの学説が好きです。脳や精神のメカニズムは無限に広がる未知という印象ですが、今とても面白い分野だと思います。興味のある人は是非、将来研究してみてくださいね。 最後に、今でもとっても気になっているのは、先生が中2のときに家に泊まりに来た学年一かわいかった友人が、寝言で『お・し・り…』と言ってうなされていた。彼女はあの時、いったいどんな夢を見ていたのだろう…。

ページの先頭へ戻る