先生からのメッセージ

權正俊幸先生

2009年3月24日

2009年2月2日午前1時51分頃に群馬県吾妻郡(あがつまぐん)嬬恋村(つまごいむら)と長野県北佐久郡(きたさくぐん)軽井沢町に位置する浅間山が噴火しました。今回の噴火は、前日の2009年2月1日に警報レベル3(浅間山の入山規制)の噴火警報が発令された直後に起こりました。また、この噴火は比較的に小規模な噴火であり、噴火で飛ばされた灰は、東京都や神奈川県横浜市・千葉県君津市でも観測されています。毎日新聞によると、同日午前5時10分頃に、東京都福生市内のJR八高線東福生~箱根ヶ崎間において、今回の噴火によって流されてきた火山灰を電車が巻き上げたのを、電車の床下からの発炎と誤認した乗務員が、電車を緊急停車させるトラブルが起こりました。びっくりするニュースですね。浅間山が噴火するとは信じられません。日本にいたころ、先生はドライブが好きで、よく浅間山の近くに行きました。浅間山の近くには、過去の噴火で流れ出した溶岩のあとである「鬼押し出し」や火山噴出物が堆積した水平面から湧水が吹き出す「白糸の滝」などの名所が数多くあり、とても楽しいところです。しかし、よく考えると浅間山は結構頻繁に噴火しているのです。記録を調べてみると、今回の噴火以前にも、1973年(昭和48年)2月1日小規模な火砕流が発生、1983年(昭和58年)4月8日福島県の太平洋岸でも噴火による降灰を観測、2004年(平成16年)9月1日噴火確認、2008年(平成20年)8月10日小規模噴火を確認と何度も噴火をしています。今回の噴火で、火山灰が風に乗り東京や神奈川・千葉まで降り注いだそうです。すごいですね。浅間山の小規模噴火でこれほど広範囲に火山灰が降るのですから、富士山が大噴火を起こしたらどうなることやら…。ところで、みなさんは富士山がいつ噴火したのか知っていますか!?富士山が最後に噴火したのは江戸時代1707年の宝永大噴火で、噴煙は成層圏まで到達し、江戸では約4cmの火山灰が降り積もったと記録されています。つまり、最後の噴火から300年たつのですね。しかし、いまだに火山性の地震や噴気が確認されていて、噴火の可能性が残っています。富士山が大噴火を起こしたらと考えると、恐ろしいですね。日本は火山がたくさんあり危険を感じることもありますが、その火山があるおかげで温泉がわき出したり、最近では地熱発電などに利用されたりと役に立つこともたくさんあります。しかし、できれば噴火だけはやめて欲しいものですね。最後に、火山は地球だけにあるのではありません。火山の噴火が確認されている天体は、地球の他に「木星の衛星イオ」「土星の衛星エンケラドゥス」「海王星の衛星トリトン」などがあります。また、金星と火星にも噴火は確認されていませんが火山が存在しています。火星の最も新しい噴火としては、240万年前にオリンポス山が噴火した痕跡が発見されています。みなさんも是非調べてみてください。きっと興味深いことがわかってくると思いますよ。

ページの先頭へ戻る