中村聡子先生
2010年1月7日
みなさん、クリスマス・年末年始と冬はイベントが多くてウキウキしますね。
私が中学3年生のとき以来、中村家の年末恒例となっているのがミュージカル鑑賞です。男性陣はあまり興味がない(男の人はなぜミュージカルを敬遠するのでしょうか??)ようなのでお留守番を頼み、母・おば・妹・私の4人でちょっとオシャレをして出かけます。今まで東京で観た主なミュージカルは、「美女と野獣」、「キャッツ」、「オペラ座の怪人」、「エビータ」、「ライオンキング」です。特に私が好きなのが「美女と野獣」です。第1幕の最後に歌うビーストの"If I can't love her"が大好きです。
昨年は、ロンドンで定番から新作までいくつかのミュージカルを観る機会がありました。ロンドンのウェストエンドと言われる周辺には様々な劇場が集まっていて、毎晩様々なお芝居・ミュージカルが演じられています。その中でも、「オペラ座の怪人」は特別でした。私は、ミュージカルは好きだけど、実は苦手でもあるのです。なぜかというと、大勢での歌がいっせいに始まると日本語の歌でも何がなんだか分からなくなってしまうからです。それが、英語だとなおさらです。しかも、もともと「オペラ座」はそんなに好きなものではありませんでした。けれど、ロンドンで観た「オペラ座」は特別でした。本当にすばらしい役者は、言葉で表現するのではないと感じました。みにくい姿のファントムが、オペラ座のヒロイン・クリスティーヌに恋をした。しかし、彼女は別の男の人に恋をしている。彼女を何としても自分のものにしたいというファントムのゆがんだ愛情と彼女に届かない切ない想いは、私だけでなくそのショーを見ていた全ての人に届いていたはずです。私たちの後ろにはスペイン人グループが座っていて、ショーの間中メッチャクッチャうるさくって、途中で「あんたたちっ!!静かにしなさいよっ!!」とお願いしたものでしたが、ショーが終わったあと振り向いたら、彼女たちもおとなしくなって、号泣していました。
ファントムの切ない歌声はショーの後いつまでも響いていたのでした。日本に帰国する前夜のことでした。