「ミケランジェロの話」 松井 絵美先生
2007年10月12日
ローマのバチカン市国、システィーナ礼拝堂の天井画を知っていますか。サッカー場の広さに匹敵するその天井に、ミケランジェロはたった一人で434の人物と風景を、4年間をかけて制作しました。最初は数人の弟子を連れていたのですが、自分の思う通りに働かないので全員を解雇してしまったそうです。何日間もお風呂に入らず、1日わずか3~4時間の睡眠以外は天井に向かって描いました。ある日のこと、1ヶ月ぶりくらいに履いていた靴を脱ぐと、足裏の皮も一緒にはがれてしまったそうです。
天井画の中で最も有名な場面は「アダムの創造」でしょう。聖書の教えによると、神が最初の人類、アダムを創造した場面です。あの、手と手がくっつきそうな表現は、とても独創的ですよね。
彼は芸術家として成功し、今で言う億万長者でしたが、お金をほとんど使わず食事も1日1回、パンとスープという質素なものだったようです。また、困ると逃亡を繰り返し、傲慢で激情な性格だったと言いますが、私たちに数多くのすばらしい芸術を残してくれましたね。