先生からのメッセージ

松井 絵美 先生

2008年2月12日

最近ではいろんなジャンルのアニメを目にしますが、子供のころ見ても今見ても感動するのは、やはり世界の名作「フランダースの犬」でしょう。 主人公のネロは絵が大好きな少年で、祖父と愛犬パトラッシュと暮らしていました。とても貧しかったので、この少年は牛乳配達の仕事をしながら、コンクールに出すための作品に没頭します。そんな中、祖父が死んで家賃が支払えなくなり、家を追い出されてしまいます。挙句の果てにはコンクールにも落選してしまい、行くところもなく、ネロとパトラッシュは雪の中をさまよい歩いていました。二人の足は自然と、ある大聖堂へと向かっていました。アントワープ大聖堂にある、ネロがずっと見たかったルーベンスの2枚の祭壇画にたどり着いたのです。 それらの絵は、<キリストの昇架>と<キリストの降架>で、新約聖書の場面を描いたものです。繊細な中にも躍動感が感じられ、ルーベンスの描く人物の肌のリアリズムや生々しさが、見ているだけで伝わってきますね。「フランダースの犬」は悲しい物語ではありますが、絵が大好きなネロの純粋な気持ちが描かれた、感動的な物語です。

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