先生からのメッセージ

權正 俊幸先生

2008年7月25日

「これしかない」と考えていると、新しいヒントを与えられても、気がつかないことがよくあります。人間の脳はそれだけ固いのです。今回は、ちょっと実験してみましょう。 下の絵を見てください。これは誕生日の食べ残しのケーキですが、ケーキは全部でいくつ残っているでしょう。 image029.jpg この図をさかさにすると、二段になって、下の段が二切れ切られているように見えるでしょう。このような図を反転図形といいます。上が二切れ残っているようにも見えるほか、図をそのまま見て、二切れ上に立っているものなど、いろいろな見え方ができるはずです。このような見え方のちがいは、平面に書かれた図というものが、本来持っている不完全さのためなのです。 たとえば、下の図のような簡単な反転図形を見てください。これが本の線画だとするといったい、どちらを開いているように見えるでしょうか。 image031.gif 真ん中のタテ線が奥に見えれば、この書物の本文が見えるように開いています。あるいはタテ線が手前に見えれば、見えているのは本の表紙と裏表紙のはずですね。このように、見方を変えればちがうものになります。空間図形が苦手な人は、図形の見方を変えると解けるようになるかもしれませんね。

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