先生からのメッセージ

星温美先生

2008年7月29日

子どもの時は嫌いだったけど、大人になって好きになったり、物の見方が変わったりすることが多くあります。 私の場合、まず挙げられるのはジブリ作品の「耳をすませば」です。 初めて見たのは、中学生の頃でした。聖司のバイオリン小屋で雫がカントリーロードを歌うシーンや、聖司が雫に「結婚しよう!」って言う最後のシーンなど、見てるこっちが鳥肌の立つくらい恥ずかしくなっていました。しかし、改めて大人になって見てみると、思わず笑みがこぼれたり、聖司や雫の真っ直ぐで純粋な気持ちに胸がキュンとしたりと、大切なことに気づかされる作品へと見方が変わりました。 もう一つは、「ピーターパン」に出てくるティンカーベルです。その理由は単純で、「いつもピーターパンやウェンディにいじわるばかりするから」。ツンとすました表情をしたり、怒ってみせたりする彼女に、幼かった私は「なんて、嫌な子なんだろう!!」と、腹を立てていました。しかし、ティンカーベルがいじわるするのは、ピーターパンのことが好きで、その「やきもち」の表れだったのだと気が付いてから、私はティンカーベルのいじわるさが大好きになりました。 子どもの時は、考える視野が狭かったり、人の心をきちんと分かっていなかったり、まだまだ未熟です。年を重ね、いろんな知識を得て、いろんな経験をし、いろんな人達と出会う中で、考えが深まり、様々な方面から物事を考えることができるようになると、今までとは違った世界が目の前に広がってきます。 よく高校の先生から言われたのは、「自分が無駄だと思うことをたくさんしなさい」という言葉です。自分の好きなもの、興味のあることしかしないと、狭い視野の中で、偏った見方しかできず、自分の可能性も狭めてしまうからです。「好き」とか「嫌い」で判断するのはなく、様々なものに挑戦し、学んでいけたらいいですね。

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